平成14年度未踏ソフトウェア創造事業


採択テーマ概要

1.担当PM  徳田 英幸(慶応義塾大学 政策・メディア研究科委員長 環境情報学部 教授)
2.採択者氏名  梅田 英和
3.テーマ名  遠近法を持つネットワークと「未来ブラウザ」の開発
4.採択金額  10,920,000円
5.テーマ概要

ADSLを始めとするインターネット常時接続、携帯電話によるネット接続の普及、無線LANによるホットスポットなど、われわれの身近な生活にネットワークが着実に浸透しつつある。

しかし現在のネットワークの代表例であるインターネットは、検索したりアドレスを入力することで情報を引き出すプル型の動作を基本にしており、ネットワークがより日常的になってきた今日、この動作原理を不便に感じるのも事実である。本プロジェクトではこの問題を解決し、ユビキタスな環境に合った人間指向のネットワークを構築するために、ネットワークに「遠近法」の考えを導入し、これを実現するソフトウェアを開発する。遠近法とはすなわち、我々が普段目にする風景と同じように、遠いものは見えず、近いもの・興味のある物事ほど身近に情報が存在するような、ネットワークの実現である。

具体的に言うと、無線LAN、Bluetooth、RFタグ、微弱無線といった無線アクセスポイントを、ショッピングモール、展示会場、病院、工場など特定のエリアに、一定間隔で配置し、各アクセスポイントを相互通信させることで、特定のエリアを面でカバーする無線ネットワークを形成する。

その無線ネットワークの中を無線端末をもったユーザが移動することにより、ユーザの場所、移動方向、目的などをネットワーク自身が察知して、各ユーザの文脈にそった情報をプッシュ配信する仕組みを提供する。ユーザはネットワークが配信する情報を専用のブラウザを用いて閲覧しながら、ショッピングや会場案内などの個別のサービスを享受する。

6.採択理由

提案されているアドホックネットワーク内でのユーザの文脈にそった形での情報pushサービスは、いくつか同様な試みがされているが、新しい「未来ブラウザ」がユニークである。アドホックネットワーク技術についても一部既に開発されており、実現性が高いと評価したので、採択とした。