平成14年度未踏ソフトウェア創造事業


採択テーマ概要

1.担当PM  田中 克己(京都大学大学院 情報学研究科 教授)
2.採択者氏名  (代表) 浅野 憲秀  (共同開発者) 大路 恭進 
3.テーマ名  XML WEBサービスを利用した、空間モデルによる住宅設計・見積システム
4.採択金額  12,000,000円
5.テーマ概要

  住宅を建てようとするユーザが、自らの希望するイメージをそのままインターネット上で入力でき、かつ、従来のような業者を経由せずに、見積書、及び設計図を住宅メーカー数社から取得でき、間取り・仕様・見積金額等の比較検討を可能とする機構の提案である。

  提案のポイントは、次の2点である。

(1) 従来のWebシステムでは、ブラウザからの入力データをWebアプリケーションが受取り、処理結果をHTML形式で返しブラウザに表示する、といった形式であるためデータをさらに処理・加工することはできない。本提案は、XML Webサービスの機能を利用して、これらの諸問題を解決しようとするものである。その概要は、
@ ユーザが、希望条件や設計条件を入力し、その内容、或いは結果を表示する「プランニングブラウザ」を構築する。
A ユーザが入力した情報を、UDDIを介してWebサービスを提供している各住宅メーカに設計・見積を依頼したり、また設計・見積の結果をユーザに返信するポータルサイトを構築する。
B 各住宅メーカは、Webサービスとレガシーシステムとのインターフェースを構築する。

(2) 専門知識のない一般のユーザが、自ら望む空間を“プラン”と称して平面の図形のみで情報を交換するのは無理である。本提案は、すこしでもユーザに理解し易い表現方法として、すべてのものが“もの”として表現できるデータ構造を提案するものである。なお、本提案は現在特許出願中である。

6.採択理由

ユーザが自身で住宅の概略設計を行いそれに対して複数のベンダーが設計・見積書を提案するという逆オークション型のシステムの提案と,設計・見積書を作成するためのソフトを提案者のアイデアによる空間オブジェクトモデルで実装するという提案であり,両者とも興味深い.逆オークション的なアプリケーションは多数存在するが,住宅設計分野では極めて珍しいことが評価できる.また,空間オブジェクトモデルは,従来のオブジェクト指向モデルの概念に加えて,場に隣接するオブジェクトというアイデアを導入しており,見積書設計には有用な拡張であると判断される.以上の理由から採択と判断する.