平成14年度未踏ソフトウェア創造事業


採択テーマ概要

1.担当PM  喜連川 優(東京大学 生産技術研究所 概念情報工学研究センター長 教授)
2.採択者氏名  古庄 晋二
3.テーマ名  超高速DBアルゴリズムの超並列環境下のシミュレータ開発
4.採択金額  15,600,000円
5.テーマ概要

 私は1998年より大規模データの超高速処理技術の研究を行い、リレーショナルモデルにおける方式については一連の研究を終えました。(http://www.digo-tech.com/)
 この成果は、特許化が進行しており、国際予備審査で今まで回答の得られた全出願、全請求項について肯定的見解を得ています。
 また、スーパーコンピュータとメインフレームを生産していた富士通沼津工場のご厚意により、大規模なSCM実データを用いて実証試験の結果、SCMの3種の代表的な計算処理において、既存の方式の90〜711倍の処理速度の向上が確認されました。
 この成果を得て、セック社(http://www.sec.co.jp/)では、当社製のソフトウェアエンジンを使用したXML-DB(Karearea)を開発、その検索速度は既存の主記憶上の高速XML-DBに比べて45〜859倍であることが確認されました。さらに、メモリの消費量は1/5、また従来のXML-DBでは実現できなかったXMLデータの集計やソートが可能です。Kareareaの先行バージョンは、XML-DBでは不可能と思われていた人工衛星からの受信データの収集・解析を可能にし、宇宙開発事業団で使用されています。
 私(と当社)自身の手によっても、パソコン上で1000万行(JOINテーブルでは20億行)のデータをリアルタイムに複写・編集・JOIN・検索・集計・ソート・演算式による計算・カテゴライズ計算を行えるアプリケーションLiFitが開発されました。
 このように私の開発したアルゴリズムはソフトウェアのみでも画期的な効果を実証しましたが、@単純かつ一意のデータ構造、A処理に際してデータ流が一方向という性質があり、もともと超並列ハードウェア上での実行が想定されています。その場合、さらに100〜1000倍の高速化が見込まれます。
 本件プロジェクトにより、超並列実行環境のシミュレータを作成し、上記の性能を実証し、超並列コンピュータ上での開発につなげたいと考えています。

6.採択理由

既に、高速なメインメモリDBアルゴリズムを実現されており、海外パテントも複数個取得しており、コンピタンスが確認された。ハードウエアによる更なる高速化を希望しており、本事業では、その第一ステップとしてエミュレータによる高速化を試みる。興味深い成果が期待される。