平成14年度未踏ソフトウェア創造事業


採択テーマ概要

1.担当PM  喜連川 優(東京大学 生産技術研究所 概念情報工学研究センター長 教授)
2.採択者氏名  (代表) 難波 英嗣  (共同開発者) 奥村 学、齋藤 豪
3.テーマ名  Web上のデータを中心とした複数論文データベースの統合
4.採択金額  8,000,000円
5.テーマ概要

特定分野の研究動向を知るためには,その分野の論文を網羅的に収集する必要がある.このような文献調査を行うのに,しばしば論文データベースが利用される.しかし,論文データベースが分散して存在していると,データベース毎に検索するのは非効率的である.そこで,本プロジェクトでは,複数の論文データベースを統合的に利用検索できるシステムの開発を行う.

我々の研究グループでは,Web上に存在するPostscriptおよびPDF形式の日英論文データを収集して論文データベースを構築している.また,論文データベースの検索作業を支援するPRESRIというシステムを開発している(http://presri.pi.titech.ac.jp:8000).しかし,研究者が利用可能な論文データベースは,このようなWeb上の論文データ以外にも数多く存在する.例えば,近年では,国際会議や学会の全国大会では予稿集の代わりにCD-ROMが配付されることが多い.また,研究者は,それぞれの所属する組織の図書館にある論文データベース等を利用することができる.この他に,学会や出版社の所有する論文データベースも利用できる.このようなローカルに存在する論文データを,PRESRIと統合的に利用できれば,非常に便利である.例えば,CD-ROM中の論文とPRESRI中の論文が参照関係にあれば,その参照関係をたどって,効率的に関連論文を集めることができる.以後,個人の所有するCD-ROM,図書館や出版社や学会が所有するデータベースをまとめて,ローカルな論文データベースと呼ぶ.本プロジェクトでは,このようなローカルな論文データベースとPRESRIとを統合的に利用できるようなシステムの構築を行う.

また,統合システムを用いて効率的にサーベイ支援(検索)を行うためには,論文の提示方法についても検討する必要がある.本プロジェクトでは,論文間の参照関係をグラフで表示し,ユーザがグラフ上の論文アイコンにカーソルを重ねるとその論文の情報が,参照関係を示す矢印にカーソルを重ねると参照個所が提示できるようなインタフェースを開発する.

6.採択理由

本件はその事業目的がわかりやすく、役に立つ「ほしい」ソフトであり、 未踏ソフトの趣旨枠には入ると考えられます。ただし、複数学会の論文データベース統合を真剣に行うのは、適用範囲に著作権上の障害があり、技術とは異なるエフォットが必須であり、利用形態が限定されると想定されます。