平成14年度未踏ソフトウェア創造事業


採択テーマ概要

1.担当PM  金出 武雄(カーネギーメロン大学 ワイタカー記念全学教授)
2.採択者氏名  (代表) 栗山 繁  (共同開発者) 向井 智彦、花村 真孝、按田 和幸、入野 祐輔
3.テーマ名  動作データの知的処理を用いたシミュレーション・ミドルウェア
4.採択金額  10,800,000円
5.テーマ概要

 工業製品の評価に人間の動作データを用いることにより、人間工学に基づく設計支援システムが構築できる。動作データの入力には熟練者が手作業で入力するか、計測装置で動作を数値データ化する方法が用いられているが、前者の方法では人的コストが、後者の方法では金銭的コストが膨大なものとなる。したがって、デジタルヒューマンを用いたシミュレーション技術は、資金に余裕のない業種や会社では導入するのが困難である。

 しかしながら、製品の設計の際に用いられる人間の動作には共通性があるので、このデータを無料で入手する環境が整えば独自のシミュレーション環境が低コストで構築できる。ただし、単に動作データをそのままアーカイブとして提供するだけでは、シミュレーションに要求される全ての状況に対処することはできない。したがって本プロジェクトでは、動作データに対して知的な処理を施し、利用する側の要求に合ったカスタマイズが可能なミドルウェア群を提供し、デジタルヒューマン技術の一般的な普及に役立てる。

 具体的には、1) 計測データに含まれる動作特徴を保ったまま、逆運動学の手法を拡張して手先や足先の到達位置を修正するツール、2) 複数の単純な動作データから、作業手順の記述に基づき連続的な複合動作を自動的に生成するツール、3) 生成された動作データを動力学的に解析するツール、および 4) 大量の動作データ群の分布や動力学解析結果の特徴・パターンを、直観的かつ効率的に可視化するツール、などをJava、XML、およびWeb3Dの技術を用いて開発する。

6.採択理由

人間の様々な動作を計測したデータに処理を施した後、データベース化することで、動作データを工業製品の設計シミュレーションに用いる際、目的に従ってカスタマイズしやすくしょうという提案である。その中で特に単なるデータだけでなく、動作データの編集ミドルウェアとして提供しようとするアイディアはすぐれている。比較的簡単で実用的に要求の高い分野である。