平成14年度未踏ソフトウェア創造事業
採択テーマ概要
| 1.担当PM | 金出 武雄(カーネギーメロン大学 ワイタカー記念全学教授) |
| 2.採択者氏名 | (代表) 中尾 恵 (共同開発者) 黒田 嘉宏 |
| 3.テーマ名 | 実時間力学計算手法のライブラリ化と手術シミュレータの開発 |
| 4.採択金額 | 18,000,000円 |
| 5.テーマ概要 人体組織の力学や生理をモデル化した仮想臓器あるいは機能や行動に関する情報を統合したデジタル・ヒューマンは、外科手術におけるシミュレーションや術中の Augmentation など、幅広い用途に活用されうる。提案者らは、拍動する心臓や大動脈を仮想的に見て触れる環境を世界に先駆けて開発し、これを発展させた統合的なシミュレーションフレームワーク及び外科手術シミュレータの構築を進めている。要素技術としては、有限要素法に基づいたリアルタイム変形アルゴリズムや軟組織の切開を対話的にシミュレートする手法などを保有しており、医用実測データのモデリングとシミュレーション、結果提示を可能とするシステムの開発能力を有する。 本プロジェクトでは、心臓血管外科における術前プランニング・手術トレーニング用ソフトウェアの開発に主眼を置き、立体視とグローブ型の力覚提示デバイスを備えた包括的な手術シミュレーションシステムの構築を目指す。これまで、肝臓などの静的な臓器を対象としたシミュレータの報告例は見られるが、心臓などの自律的に運動する臓器を対話的に扱える環境は実現されていない。また、実時間シミュレーションを可能とする有限要素変形モデルおよび軟組織切開モデルは、その高速化及び精度向上を図りつつ汎用ライブラリとしてまとめ、インターネットを通じて全世界に配信することを目指す。力学的あるいは幾何学的なシミュレーションはデジタル・ヒューマンの実現に必要となる中心的な要素技術の一つであり、その汎用的なライブラリはアプリケーション開発の促進など多大な貢献が見込める。 具体的なソフトウェアとしては、心臓外科手術における触診をシミュレートし、正常・病変部位の判別を目的としたトレーニング及び術前における手術アプローチのプランニングを可能とするシステム(アプリケーション及び視覚・力覚提示環境を含む)の開発を目指す。開発システムの機能は医師の参加による実験によって評価を行う。本システムは術中に想定される術野空間を実測データに基づいて再現でき、これまで人体模型などで練習してきた低侵襲手術のトレーニングをシミュレーションとVR技術によってコンピュータ上で行える環境を実現する。患者データに基づいた綿密な術前計画やリハーサルは医療及び医学教育を発展させ、より安全かつ高度な手術の実現へと繋がることが期待できる。 |
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| 6.採択理由 人体臓器、特に心臓・大動脈を例に取り,その動き・変形・軟組織の有限要素法によりモデル化し、立体視と力覚提示による提示による手術シミュレーションを目指す提案である。拍動する臓器と有限要素法の高速化(実用できれば)によるリアルタイム性の目標に技術的新しさがある。モデルやライブラリをインターネットで配信する目標も良い。この点については、書面によるコミットメントを採択の条件とする。また 予算として大部分が力覚提示デバイスの購入費用となっているが、借用などの方策はないか。技術的質問として(1)提案中の有限要素リアルタイム変形モデルは、真の有限要素によるものか、それともマススプリングモデルか。(2)切開切除などによって、単なる剛性マトリクスの前処理計算とあるが、ノードのコネクションが変わればマトリクスも変わるのでは。(3)フォースフィードには、もとの速いループが必要であるが、考えられているか。をつめる必要がある。 |
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