


(平成13年9月18日 プレス発表)
12名の天才/スーパークリエーターを発掘(平成12年度事業)
55件を採択支援した平成12年度の成果をプロジェクトマネージャーによって精査したところ、このうち12件(下記)は、「天才/スーパークリエーター」と称しても良いのではないかとの評価になりました。
12名 : 「天才/スーパークリエーター」 クラス
30名 : 「ある程度期待に応えた者」 クラス
13名 : 「その他」 クラス
また、未踏ソフトウエア創造事業による支援の結果、
8件 : 成果を下に会社設立が決定
9件 : 事業化(商品化)が決定
14件 : 民間からの別のサポーターが決定
19件 : (世界的な)学会の論文集に掲載
8件 : 研究機関等からの招聘あり
となりました。
本事業では、次世代のソフトウエア開発を支える100人の天才の発掘を目指しており、初年度の成果としては、満足のいくものであったといえます。
<平成12年度「天才/スーパークリエータ」>
開発者:飯塚 豊 氏 (担当PM:大黒 晶議)
テーマ:パーソナルサイズのマルチエージェント統合環境AirWeb
理 由:AirWebはインタネットの主要なサイトから、情報を抽出する機能を有している。
従ってAirWebがあれば以下のメリットがある。
1.ビギナーでも主要サイトがわかり、上級者と同じ情報を得ることが出来る。
2.主要サイトは30以上にも及び、主にテキストに集約され、規格化された形式で保存されるため、すばやく情報に目を通すことが出来る。
3.情報はニュースだけでなく、オークション情報、掲示板情報、アーカイバの最新データといったインターネットならではの情報の収集も出来る。
これらにより、ビギナーは上級者と同じ、情報を手にすることが出来、上級者は効率的に情報を取得することが出来る。
ビギナーから上級者まで情報収集自動化機械化のメリットを得ることが出来るソフトである。
現在情報収集を自動化するソフトはあまりない。あっても画像を収集するぐらいな能力しかない。
文字情報を抽出し集約することが出来るのはAirWebぐらいなものと思われる。
抽出された情報を見るとき、特別な知識や見づらさがなく、ビギナーでも容易に見ることが出来る点がAirWebのすばらしさと思える。
開発者:新津 靖 氏 (担当PM:大黒 晶議)
テーマ:教育用3次元ソリッドモデラーの開発
理 由:3次元ソリッドCADは、ユーザーが限られ、ほとんど米国製で、100万円以上するソフトばかりである。
3次元CADは2次元CADと違い、使い方が独特でコツを掴む必要がある。
新津氏の教育用3次元ソリッドモデラーは、難しいと言われる3次元CADのコツを理解させることが出来る。
氏の教えられる大学では、上記ソフトが2年の教養過程に置いて使用され、3次元CADの考え方を学ぶことで、
3年次の本格的なCADの学習の際大きな効果をあげている。
開発者:銭谷 謙吾 氏 (担当PM:上林 弥彦)
テーマ:プラットフォーム非依存な汎用ネットワークエージェントシステム
理 由:独学ではあるが知識も広くプログラム能力も高い。
マスコミにもてはやされたため構想が大きくなりすぎて完成に至らなかったが現在も開発中である。
非常に個性的な人間であるため、特色をこわさないような配慮が必要である。
友人が彼のシステムの上に応用システムを作る予定にしていたが、レベルが違いすぎて応用システムはあきらめざるをえなかった。
開発者:守岡 知彦 氏 (担当PM:上林 弥彦)
テーマ:GNU Emacsenにおける複数のMUAで共有可能なInternet Messageのための汎用部品の開発
理 由:このグループははじめから完成したスーパークリエータである。
フリーソフトの開発を手がけてきたグループであるために支援したもので、ソフトの整備に資金援助をした形になっている。
代表の守岡知彦氏はもちろん、協力者の宮下尚氏(京大理学部大学院生)もそのタイプである。
さらにグループとしては、 Martin Buchholz氏やSandy Wambold女史もいて、非常に個性的なグループであった。
開発者:荒牧 英治 氏 (担当PM:上林 弥彦)
テーマ:自然言語パートを含む暗意−実現モデルによる自動作曲システム
理 由:テーマも独自で結構完成した。
できた曲も自然である。
個性的でプログラム能力も極めて高いので期待している。
開発者:小藤 哲彦 氏 (担当PM:竹内 郁雄)
テーマ:大規模災害救助の分散シミュレーションカーネルの開発
理 由:一見地味な性格であるが, プログラミング能力 (スピード, 質) の高さにおいては,
私が採択した中では最右翼である.
私の研究室の学生であるが, 彼に匹敵するような学生は滅多に現れないであろう.
未踏での成果は来年度あたりに国際プロジェクトRoboCup-Rescueで使われるようになるはずである
(学部4年のときに作った第0版はすでに国際的に使われている).
私自身まだ深さを推し量れていないほどの潜在能力が, 彼にはあると思われる.
開発者:和田 健之介 氏 (担当PM:竹内 郁雄)
テーマ:双方向型ネットワーク対応仮想空間共同構築システム
理 由:PMの期待を裏切りっぱなしと言えるほどの猛烈な創造性を発揮した.
和田さん自身は天才というよりむしろ秀才に近いタイプと思えるが,
仲間として呼び集めた連中との共同作業において天才的な創造性を発揮できたものと考えられる.
ソフト作りやアイデア作りに没頭する集中力, それを裏付ける基礎理論の体力 (学力?),
さすらいのプログラマといった風情の仲間たちを統率して, 彼らから面白いものを引き出しては,
形に仕上げていく能力, どれをとっても一流である.
開発者:近藤 克彦 氏 (担当PM:長谷川 正治)
テーマ:知識蓄積型推論データベースの開発、応用
理 由:知識蓄積型推論データベース(シノプシス型データベースエンジン)は、既存のデータベースエンジンとは
全く異なる発想で設計/実装されており、その発想は、非常に独創的である。
また、短期間でプロトタイプまで完成させることができたのは、彼の卓越した技術力と才能に大きく依存している。
この極めてユニークな特徴をもつデータベースおよび検索エンジンの応用例としては、インターネットの検索エンジンや
書籍データベース等々、数多く存在すると思われ、ビジネスへの展開も期待できる。
開発者:奥富 秀俊 氏 (担当PM:長谷川 正治)
テーマ:カオス現象を応用し複合的機能を備えた新暗号アルゴリズムの開発
理 由:カオス現象を応用した暗号アーキテクチャーの開発において、従来その実用化を困難なものにしていた浮動少数点演算に
関わるさまざまな問題を、整数演算、ビット演算のみで実現する手法により解決するという斬新なアプローチは高く評価できる。
彼の才能なくしては、極めて斬新的な暗号/認証アルゴリズムのベースを短期間で完成させることは不可能であった。
新しい暗号/認証アーキテクチャーは非常に需要の高い重要な技術であり、このカオス現象を応用した新暗号プログラムは、
その有力な候補であることは間違いない。
開発者:高橋 大介 氏 (担当PM:平木 敬)
テーマ:高速化した計算機システムにおける高速フーリエ変換ソフトウェア
理 由:FFTという非常に多くの人が取り組み、高速化を図ってきた分野で、最高の性能を達成するということは、スーパークリエータの名前に
恥じないものであることは確かである。
天才かどうかということに関しては、高橋さんが非常な努力家であり、それが創造に結び付いていることを考えると、むしろ軽々しい名称と感じます。
開発者:阿部 一博 氏 (担当PM:松島 克守)
テーマ:未知のノードを含むネットワーク分散協調演算処理システム
理 由:インターネットという極めて不確実なインフラと分散協調処理を組み合わせるというアイデアは、それ自身必ずしも斬新なものとは言えない。
しかし、その取り組みはまだまだ緒に就いたばかりであり、完成されたものは存在しない。
このような状況にあって、当システムは、その独自の着想とそれに基づく斬新なアルゴリズムを基盤に、この分野に新しい挑戦を仕掛けた
ものとして評価できる。
開発内容は、開発者自身の職業とは関係なく、自らの興味と情熱により取り組んだものであり、
「未踏」がそのような可能性に対してチャンスを与えた一例としても大変評価に値する。
開発者:梅村 恭司 氏 (担当PM:松島 克守)
テーマ:未踏テキスト情報中のキーワードの自動抽出システム
理 由:日本語だけではなく、多言語に対応可能な当システムは、言語処理の重要性がますます高まるであろう今後のIT分野に於いて、
基礎的な技術となるものである。
同等の技術は、確かに他にもあるが、当システムにより実用に供する処理速度並びに精度を実現した成果は、画期的なものであり、
これを実現するアルゴリズムの独創性は、「未踏」として十分評価に値する。
当システムは、大変汎用性の高い技術である。しかし、一般には興味をもたれにくいテーマであり、なかなか評価されることがない。
このようなテーマに対して「未踏」プロジェクトが世間に出すきっかけを提供することの意義は大変に大きいものと思います。
(平成12年12月27日 プレス発表)
平成12年度「未踏ソフトウェア創造事業」採択プロジェクトの決定について
情報処理振興事業協会(IPA)では、平成12年度から通商産業省の定額補助を受けて、「未踏ソフトウェア創造事業」を開始しましたが、この度306件の応募の中から以下のとおり56件の採択プロジェクトを決定しました。
採択プロジェクトは、スーパークリエータ予備軍による独創性にあふれた提案であり、採択者(代表者)の平均年齢は35.4歳、最年少は21歳の大学生の方となっております。また、半数の28件が大学・研究機関に所属する方からの提案で、このうち学生・院生による提案は10件でした。
今後、プロジェクト成果物やプロジェクト・マネジャーによる指導・助言といった、本事業を通じての有形・無形の成果を基に、採択者の方々が次代の我が国IT産業界を担うスーパークリエータとして活躍していくことが期待できます。
本事業では、より独創的な才能やアイデアを発掘するため、学界、産業界から登用したプロジェクト・マネジャーの見識、人脈等を有効に活用することとしております。このため事業の中立性、公平性、透明性を確保するためにプロジェクト・マネジャーによる審査等の活動が適正に行なわれているのか等のチェックを行う「未踏ソフトウェア創造事業審議委員会」を設置すると同時に、全採択案件について採択プロジェクト・マネジャー名および提案者の氏名、所属、提案概要、採択金額、採択理由を公表することを原則といたします。
未踏ソフトウェア創造事業審議委員会委員一覧
委員長 長尾 真 京都大学総長 情報処理学会会長
委 員 佐野 稔 弁護士
委 員 佐野 令而 松下電器産業梶@技術顧問
委 員 土居 範久 慶應義塾大学教授
委 員 松崎 稔 日経BP社 常務取締役 コンピュータ局長
未踏ソフトウェア創造事業 採択プロジェクト一覧
今回、各プロジェクト・マネジャーにより採択されたプロジェクトは以下の通りです。
採択されました56テーマの成果については、開発成果のページをご覧下さい。
| 大黒 晶議 PM |
応募数: 9件 採択件数: 2件 |
| 1飯塚 豊 |
パーソナルサイズのマルチエージェント統合環境 AirWeb |
| 2新津 靖 |
教育用3次元ソリッドモデラーの開発 |
| 上林 弥彦 PM |
応募数:38件 採択件数: 9件 |
| 1本村 陽一 |
確率ネットワークによるユーザモデル構築システム |
| 2山本 泰宇 |
オープンXMLプロセッサを利用した分散データベースソフトウェア |
| 3荻野 哲男 |
安全な電子商取引を目的としたデータベースの新しい認証法の設計 |
| 4銭谷 謙吾 |
プラットフォーム非依存な汎用ネットワークエージェントシステム |
| 5守岡 知彦 |
GNU Emacsenにおける複数のMUAで共有可能なInternet Messageのための汎用部品の開発 |
| 6灘本 明代 |
テレビ型Web視聴システムの開発 |
| 7荒牧 英治 |
自然言語パートを含む暗意ー実現モデルによる自動作曲システム |
| 8木實 新一 |
携帯端末を用いた質問偏在型データベース環境の実現 |
| 9木村 健一郎 |
移動通信体(iモード)とWWW及びデータベースの連係による、検索通知型サービス |
| 倉重 英樹 PM |
応募数:32件 採択件数: 2件 |
| 1中川路 充 |
高性能XML文書データベースサーバの開発 |
| 2萩原 秀幸 |
統合型デジタル・ピクチャー作成支援“Kid’s Hatシステム”の開発 |
| 黒崎 守峰 PM |
応募数:16件 採択件数: 1件 |
| 1高田 哲司 |
見えログ:情報視覚化とテキストマイニングを用いたログ情報解析支援システム |
| 高田 広章 PM |
応募数:15件 採択件数: 8件 |
| 1中西 恒夫 |
組込み向けコード圧縮クロスアセンブラフレームワークの開発 |
| 2堀江 正浩 |
スクリプト言語Pythonを基にした信号処理拡張と、各種マルチメディア機器組み込み用途への展開 |
| 3邑中 雅樹 |
情報家電ネットワークに向けた、ソフトウェア部品の開発 |
| 4麻生 英樹 |
パーソナルロボット用アプリケーション開発環境 |
| 5小島 一元 |
SuperHにおけるGNU/Linuxディストリビューションの開発 |
| 6飯尾 淳 |
組み込み用Linux向け動画像処理基盤ソフトの開発 |
| 7大本 敏雅 |
簡易トランザクション管理機能つき半導体内部ファイルシステム |
| 8小林 憲次 |
kVerifierの実用化、及び仕様記述言語との連携 |
| 竹内 郁雄 PM |
応募数:53件 採択件数: 9件 |
| 1美馬 義亮 |
「思考のデッサン」ツール |
| 2中山 泰一 |
IEEE1394を用いたPCクラスタシステムのためのシステムソフトウェアの開発 |
| 3湯澤 太郎 |
面白く遊んで深く理解するバーチャル経済多主体複雑系ゲーム開発 |
| 4仙石 浩明 |
携帯電話用アプレット開発ツール |
| 5丹羽 時彦 |
WWWを用いた視覚による統計教材ソフトの開発とその評価について |
| 6山本 吉伸 |
リソース共有メカニズム・パブボード向け基本ソフトウエアの実証研究 |
| 7小藤 哲彦 |
大規模災害救助の分散シミュレーションカーネルの開発 |
| 8兼宗 進 |
教育用オブジェクト指向言語とその実行系 |
| 9和田 健之介 |
双方向型ネットワーク対応仮想空間共同構築システム |
| 西岡 郁夫 PM |
応募数:24件 採択件数: 5件 |
| 1清水 洋三 |
パトロン・オークションによるバーチャル・ミュージアムの運営 |
| 2垂水 浩幸 |
携帯電話版SpaceTagの試作:モバイル仮想環境への第一歩 |
| 3浅里 幸起 |
分散シミュレータ知識普及メディアの開発 |
| 4島田 道雄 |
高速通信コプロセッサの実現 |
| 5深田 優 |
IT市場における新分析サービス(情報分析、提供およびコンサルテーション) |
| 長谷川正治 PM |
応募数:34件 採択件数: 5件 |
| 1岡本 慎太郎 |
プログラム記述スキルを必要としないプログラム開発ツール |
| 2近藤 克彦 |
知識蓄積型推論データベースの開発、応用 |
| 3吉田 香 |
感性データベースと連携したパーソナルモデル構築ツール |
| 4奥富 秀俊 |
カオス現象を応用し複合的機能を備えた新暗号アルゴリズムの開発 |
| 5松本 尚 |
ネットワークRAIDファイルシステムの開発 |
| 平木 敬 PM |
応募数: 8件 採択件数: 2件 |
| 1田中 清史 |
実時間制御を支援する組み込み用RISCコアライブラリの開発 |
| 2高橋 大介 |
高速化した計算機システムにおける高速フーリエ変換ソフトウェア |
| 松島 克守 PM |
応募数:44件 採択件数: 7件 |
| 1廣田 薫 |
高速配車配送計画作成支援システム |
| 2鈴木 建彦 |
3次元多様体モデルによる高品質汎用6面体メッシュ生成システム |
| 3長田 一夫 |
世界初のSTEP等データ交換の無誤差化自動システムの開発 |
| 4阿部 一博 |
未知のノードを含むネットワーク分散協調演算処理システム |
| 5長谷川 修 |
ユーザ支援のための携帯型対話エージェントの開発 |
| 6尹 泰聖 |
研究情報システムの構築のための知的資源の独自分類と検索システムの開発 |
| 7梅村 恭司 |
未踏テキスト情報中のキーワードの自動抽出システム |
| 村井 純 PM |
応募数:16件 採択件数: 2件 |
| 1中村 豊 |
サーバ管理支援システムの開発 |
| 2三屋 光史朗 |
次世代移動体通信支援システムの構築〜End to Endインターネット携帯電話〜 |
| 湯淺 太一 PM |
応募数:17件 採択件数:4件 |
| 1山本 晃成 |
Java仮想マシンの継続渡し機構拡張 |
| 2山崎 敏 |
次世代アーカイバソフト(圧縮形式名yz2)の開発 |
| 3紙名 哲生 |
S式を用いたXMLサーバプログラミングツール |
| 4松本 行弘 |
オブジェクト指向スクリプト言語Ruby次期バージョンの開発 |
Last updated 15 Jan 2001,
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