平成12年度未踏ソフトウェア創造事業
採択案件評価書
| 1.担当PM | 7.西岡 郁夫 |
| 2.採択者氏名 | 山村 浩 (株式会社アイ・ティ・アール) |
| 3.プロジェクト実施管理組織 | 株式会社アイ・ティ・アール |
| 4.委託金支払額 | 24,779,833円 |
| 5.テーマ名 | IT市場における新分析サービス |
|
6.テーマ概要 IT市場において導入効果のない情報システムをITベンダーに押し付けられたと言うユーザ企業の不満の声が高いことは通産省のITSSPのプロジェクトでも明らかである。本提案はユーザ企業にとって本当に導入効果のある情報システムをIT市場に一般化させるため「IT市場に特化した新しいコンサルテーションサービス&情報サービスの流れ」を創ろうとするものである。 具体的には、IT市場に特化しユーザ企業とベンダ企業に対して、技術動向分析サービスおよび市場動向分析サービス(情報提供とコンサルテーション)をFTFによる顧客の声の収集と分析、Webによる調査、分析により実行する。ITSSPとの連携が望ましい。 |
|
|
7.採択理由 PMは通産省主催のITSSPというプロジェクトに参画し、数多くの中堅、中小企業の経営者と面談し、これまでの日本の企業情報システムの最大の問題はITベンダー本位の「個別ユーザー特注方式のシステム」であったと実感している。それは、ユーザー企業から聴取した要求仕様をユーザーごとに個別に実現するもので特注だけに個別ユーザーの要求に忠実である反面、あとあとユーザー単位の膨大なメンテナンスの問題を積み残すというユーザーにもメーカーにも大きな問題を残し、ユーザーの深刻な不満を不振の基となった。事実IT革命と騒がれる現在、ユーザー経営者がIT化に冷めた視線を送るのはこの不信感故であると考えられる。この問題を払拭するために本提案の分析サービスは有効である。この提案は大変地味なアプローチである。それだけに、未踏ソフトウェア創造事業の名に値するのかと言う素朴な疑問もあるであろう。しかし、審査委員は顧客満足を正確に測るには本提案の方式が唯一正確な方法であり、最新IT技術が世の中に真に貢献できるためにこそ斯様な地味な努力が必要であると確信する。 |
|
|
8.開発評価 IT革命の掛け声で企業の更なるIT化が進められているが、従来、市場においてユーザー企業の本当に望むITシステムを実現した例は少なく、ハード、ソフトのベンダ企業からの一方的なお仕着せのシステムや囲い込みにより過剰仕様の製品/サービスを購入してしまう場合が多く顧客満足度が高いとは言えない。 そこで、本プロジェクトは既存顧客の使用体験に基づくシステムへの評価をシステム的に取り込み統計的に処理してデータとして市場にフィードバックすることにより、中立的な第3者の立場の人間によるコンサルテーションを、システム購入を予定する消費者に提供することを目指すものである。 コンサルテーションはアナリストによるWebベースのデジタルコンサルテーションと従来のFTFによるコンサルテーションが実施される。 本プロジェクトの核はコンサルテーションに用いる「ソフトウェア/ハードウェア製品およびサービスに対する顧客の声の収集と分析」手法であり、今回、アンケートなどで収集したデータ分析を瞬時に行うエンジンの開発を行った。この中には統計的手法だけでなく自然言語解析技術などを利用したアンケート分析エンジンが含まれる。 期待される効果としては、従来、ベンダ企業が行っているベンダ企業側からのみ見た製品/サービスの分析が、実際に製品やサービスを使用した人から収集したデータに基づく客観的な分析に変革することができる。 プロジェクトでは、顧客の生の声から解決策を導き出す、独自の方法論、分析手法として自然言語によるアンケートを分析する機能を持ったVoice Researchを開発し、世の中で導入成果を上げ難いトップとされるERPで分析実験を行った。今回の開発期間は短期間であったので分析機能の精度のチェックはまだまだ十分ではない。今後数多くのデータを収集し、分析結果を精査することによって分析手法の精度そのものを向上させていく努力が肝要であるが、同時にすでに市場から前向きの評価を得ていると言う開発者の報告は本プロジェクトの市場性を如実に示していると考えられる。 一方、本プロジェクトの用途にはベンダ企業自身がその製品の競争力を分析し、何故サービスが売れない? ユーザー企業が真に期待するものは? メリットをどう伝えればいいのか? というCSを重視する前向きのマーケティングにも活用されるべきである。 |
|