平成12年度未踏ソフトウェア創造事業


採択案件評価書

1.担当PM  5.高田 広章
2.採択者氏名  小島 一元 (代表者,元神奈川大学理学部教授), 新部 裕, 杉岡 利信, 野澤 寿晴, 吉井 卓,八重樫 剛史
3.プロジェクト実施管理組織  (株)アーク情報システム
4.委託金支払額  5,186,394円
5.テーマ名  <SuperHにおけるGNU/Linuxディストリビューションの開発>
6.関連Webサイトへのリンク  http://www.m17n.org/linux-sh/
7.開発テーマの概要

最近、Linux の組込みシステムへの適用が注目を集めている。開発者らは、組込みシステム分野で広く用いられている SuperHプロセッサ上で、Linux を動作させるための開発を進めてきた。これまでの開発で、基本的なポーティング作業は完了しており、実用に供するためのディストリビューションの開発が課題となっていた。

 この開発テーマでは、SuperHプロセッサ用の Linuxディストリビューションを開発するにあたっての課題の一つであるテストの効率化を目指して、複数のターゲットマシンで分散してテストを行うためのシステム DODES を開発をした。

 DODES の主な機能は、(1) ターゲットマシンの状態表示機能、(2) テストプログラムの遠隔実行機能、(3) 待ち行列管理機能、(4) リグレッションテスト機能である。また、システムを動作させるためのネットワーク環境を構築し、 GCCのテストスクリプトなどを実行することで、システムの有効性を確認した。
 
8.採択の経緯

この開発テーマの当初の提案は、SuperHプロセッサ用の Linuxディストリビューションそのものを開発することであったが、組込みシステム用の Linuxディストリビュションはすでに商業ベースで存在し、単にプロセッサの種類が異なるというだけで未踏性を認めることは難しかった。

 しかしながら、日本には、複数の企業の技術者が会社の承認のもとで参画し、オープンソースソフトウェアの開発に取り組む事例はほとんどなかった。オープンソース開発は、今後のソフトウェア技術の発展に重要と考えられ、このようなプロジェクトに対して政府予算をつけることでオフィシャルな立場を与える意義は極めて大きいと判断した。

 そこで、ディストリビューションの開発を効率化する技術の一つとして、クロス環境における分散テストシステムの構築については新規性が認められるので、その部分に絞って開発を委託することとした。
 
9.達成度と問題点

開発を委託した部分については、すべて実装を完了し、またその有効性も示すことができ、満足すべき結果が得られた。
 
10.今後の展開

今後この開発成果を利用して、SuperHプロセッサ用の Linuxディストリビューションの完成度を上げることで、その利用が広がっていくことが期待される。また、他の組込みシステム用プロセッサの Linuxディストリビューションの開発にも、開発成果が役立つことが期待できる。