平成12年度未踏ソフトウェア創造事業
採択案件評価書
| 1.担当PM | 5.高田 広章 |
| 2.採択者氏名 | 麻生 英樹 (代表者), (通産省電子技術総合研究所) 原 功, 本村 陽一 |
| 3.プロジェクト実施管理組織 | (財)日本産業技術振興協会 |
| 4.委託金支払額 | 16,832,000円 |
| 5.テーマ名 | <パーソナルロボット用アプリケーション開発環境> |
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6.開発テーマの概要 この開発テーマの目的は、パーソナルロボット用の汎用性の高いミドルウェアおよびアプリケーション開発を支援するための開発環境を開発することである。 ここで言う汎用性とは、個別のロボットに依存せずにパーソナルロボット一般に適用できることを意味しており、さらには、個別のロボットのハードウェアへの依存性を局所化することで、多くの部分を他のロボットでも利用可能とすることを狙っている。 今回開発を行ったソフトウェアは、パーソナルロボット要素機能ライブラリとパーソナルロボット統合機能開発環境である。要素機能ライブラリには、 TCP/IP経由で受け取ったコマンドの並行的な実行を管理するロボット制御用デーモンと、開発ターゲットとなったロボットのLinux用のデバイスドライバが、統合機能開発環境には、ロボット制御用デーモンと通信を行うためのクラスライブラリが含まれる。また、それらを用いたサンプルアプリケーションの開発も行った。 |
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7.達成度と問題点 実施計画書に盛り込んだ内容は実現できたという点で、合格点は与えられるものの、当初の提案に盛り込まれていた中には、実現できない部分が残った。 具体的には、確率的な状態遷移規則と各状況での応答規則を記述することでアプリケーションを作成する開発環境の作成は、開発テーマの範囲外となった。この最大の原因は、国家公務員が従事するための事務手続きの問題から開発期間が約3ヶ月間しかとれなかったこと (当初の提案では5ヶ月を想定していた) と、開発者の一人が代表となって他のプロジェクトマネージャに提案していた案件も採択されたために、十分な開発工数がさけなくなったことの2つと考えられる。 また、個別のロボットのハードウェアの違いを吸収して、汎用的なアプリケーションを開発するための方法論についても、難しい課題であるために短期間での解決は困難であるものの、何らかの検討を期待したかった。 |
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8.予算の使途 この開発テーマに対しては、当初の提案の中で評価用ロボットの購入費を除いた部分を満額で認めた。これは、ロボットの購入費は本事業の枠組みでは認められないためで、代わりにその借料を計上した。ところが、特殊なロボットであるために短期間の借料が購入費用とほぼ同額となり、計上した予算額を大幅に越えることとなった。逆に、開発者の一人が代表者となった他の案件の採択により開発範囲を狭めざるをえなかったことから、開発にかかる人件費は当初の予定より小さくなり、総額ではほぼ予算通りとなった。 |
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9.今後の展開 開発者の全体構想の中では、今回開発を行った部分は最初のステップに過ぎず、未踏性が高いと考えられる部分は今後の課題として残った。特に、個別のロボットのハードウェアの違いをどのように吸収するか (開発者の言葉では、動素や感覚素、動作素のマッピング) は難しい問題であり、どのようにアプローチするかが今後の大きな課題となるだろう。 開発者の予想では、今後10年位の間にパーソナルロボットが広く利用されるようになるとしているが、そのためには、ソフトウェア開発環境の整備は極めて重要なテーマである。特に、ロボットのハードウェアに依存せずにアプリケーションソフトウェアを開発できる枠組みが実現できれば、ソフトウェア開発工数を大幅に削減できる可能性があり、今後の発展が期待される。 また、この開発テーマの開発成果はソースコードの形で公開される予定であり、この分野の研究・開発の活性化にも役立つものと期待できる。 |
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