平成12年度未踏ソフトウェア創造事業


採択案件評価書

1.担当PM  2.上林 弥彦
2.採択者氏名  木實 新一(コロラド大学生涯学習研究所リサーチフェロー)
3.プロジェクト実施管理組織  財団法人京都高度技術研究所
4.委託金支払額  7,000,000円
5.テーマ名  「携帯端末を用いた質問偏在型データベース環境の実現」
6.関連Webサイトへのリンク http://www.q-anywhere.net
7.テーマ概要

本研究開発では、質問偏在型データベース環境という、モバイルデータベースと拡張現実感を融合するこれまでにない概念を提案し、この概念に基づいたシステムの開発を行う。開発するシステムは質問レンズと呼ばれ、PDA(パーソナルデジタルアシスタント)を用いてこれまでに無い手軽さで即座に有用な情報を取り出すことのできるデータベース環境の実現を目標としている。
8.採択理由

■提案内容にかなりの新規性がある

■提案書の内容が具体性で実現性が高い

■本事業は個人の能力を重視して採択するものであり、提案者はスーパークリエータとしての素質がある



(コメント)

提案者は、システム開発能力や研究能力に定評があり、ドイツ滞在のあと現在アメリカに滞在中である。提案内容は、一般的なデータ偏在型データベース環境を逆にした質問偏在型データベース環境というものの提案で独創性も高い。本人の素質と提案内容から採用するべきである。
9.開発成果と評価

・システムは実用性があり、ビジネス化の準備中である。



・本研究開発の目的は、質問偏在型データベース環境という新しい概念を導入し、これに基づいたシステムの開発を行うことであった。プロジェクト開始時に提案されたアイディアを、利用シナリオの重点的な検討によって詳細に具体化し、プロトタイプの開発を集中的に行ない、開発したプロトタイプを用いて、ビデオによる利用シナリオのデモンストレーションを行った。主要な基本機能はほぼ全て実現されていたが、無線タグ以外のセンサーの利用、ネットワーク上の情報共有コミュニティーとの連携、小画面での見やすい表示の実現などについてはまだ不十分である。商用に耐えうるシステムを構築するためには、これらも実現しなければならないだろう。今後、システムの利用実験を行い、ビジネス化へ向けた本格的な検討を行う必要がある。新しい概念である質問偏在型データベースの可能性の一部が明確化され、ビジネス化への道が見えはじめてきている。研究者であるが、新しいアイデアで実用面での可能性をかなり示せた点で未踏向きの内容でほぼ期待通りの成果であったと思われる。