平成12年度未踏ソフトウェア創造事業
採択案件評価書
| 1.担当PM | 12.湯淺 太一 |
| 2.採択者氏名 | 山崎 敏 (株式会社日立インフォメーションテクノロジー) |
| 3.プロジェクト実施管理組織 | 株式会社日立インフォメーションテクノロジー |
| 4.委託金支払額 | 4,714,838円 |
| 5.テーマ名 | 「次世代アーカイバソフト(圧縮形式名yz2)の開発」 |
| 6.関連Webサイトへのリンク | http://member.nifty.ne.jp/yamazaki/yz2/ |
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7.テーマ概要 本提案は,提案者が既に開発したアーカイバソフト yz1 を改良することによって,大幅な高速化と高い圧縮率を実現するものである.3年前に開発された yz1 の知名度はまだあまり高くはないが,今回の改良によって,デファクトスタンダードを目指した高性能のアーカイバソフトを実現することが目標である. 具体的には, (1) 従来の圧縮方式を変更し,最新の算術符号形式を採用する. (2) 算術符合形式への移行にともない,辞書構造を変更し,新方式に対応する. (3) ソフト自体のコードを整理し,可読性を高める. |
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8.採択理由 既存の yz1 の知名度は高くないが,性能的には国際的に競争できるレベルに達しており,今回の提案によって,さらに競争力が向上すると期待される.申請者の熱意と実力はこれまでの開発によって十分に証明されており,半年という短期間ではあるが,提案事項の実現性はきわめて高い.また,今回の改良にあたっては,国際標準化や国際的に利用されるソフトウェアを開発した経験のある PM からの助言が役立つと考えられ,将来のデファクトスタンダードに向けた貢献が可能である. |
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9.開発目標 yz2 形式の具体的な目標性能は,多くのファイル(任意に選んだ非圧縮のファイルの8割以上のファイル)に対して LZH,ZIP,YZ1 それぞれの圧縮形式を上回る圧縮速度と圧縮率を目標とする. |
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10.開発者への助言と指導 本実施テーマは,使用するアルゴリズムが当初から決定しており,圧縮に関する諸技術を調査した結果,基本的な方針には変更が不要であると判断した.圧縮技術に関しては,特許を侵害する場合があるが,今回はその問題が生じないことも確認した. 2回の中間報告会における基本アルゴリズムの質疑応答によって,諸概念の明確化され,開発者にとって有意義であったと考えられる. 本実施テーマに関しては,開発途中のプロトタイプを,開発者自身が積極的に Web ページを通じて公開した.開発期間中,Web ページの更新が5回行われ,その都度,最新のバージョンの性能評価が報告された.更新ごとに Web ページを検査し,電子メイルによって適宜コメントを行った. |
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11.開発成果 圧縮速度に関しては,LZHとZIPに対し3倍程度,YZ1に対し20%-30%性能が上回る.解凍速度に関しては,YZ1の段階で十分な性能が出ていたが,YZ2も同等の性能である.圧縮率に関しては,LZH,ZIP,YZ1を上回る性能を維持した.よって,開発目標を達成することができた. 開発成果は,http://member.nifty.ne.jp/yamazaki/yz2/においてフリーソフトウェアとして公開されている. (講評) 上記のとおり,圧縮率,解凍速度,圧縮速度については,当初の目標を達成した.圧縮速度については,計画していた辞書構造を採用することにより,当初の予想を大きく上回る性能向上が得られている. この圧縮速度は,世界的にみても優れた性能であるが,プロジェクトを進める過程で,さらに改良できる方式を開発者が考案している.今回はその方式を組み込む余裕はなかったが,今後の発展がおおいに期待できる. 本実施テーマでは,従来のyz1のソースを全面的に書き換え,性能向上をはかる一方で,可読性を高めることに成功している.これによって,公開する価値のあるソースとなり, Web におけるソースの公開によって,また今後の改良によって,yz2 を圧縮形式のデファクトスタンダードとすることが望まれる. |
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