平成12年度未踏ソフトウェア創造事業


採択案件評価書

1.担当PM  10.松島 克守
2.採択者氏名  尹 泰聖(ユン テソン) (東京工業大学・助手)
3.プロジェクト実施管理組織  ネイチャー・ランド・ジャパン株式会社
4.委託金支払額  24,000,000円
5.テーマ名  「研究情報システムの構築のための知的資源の独自分類と検索システムの開発」
6.関連Webサイトへのリンク
7.テーマ概要

 研究情報に関しては、現在のインターネットには、世界の知的財産と資源を専門家の観点から整理して、高効率で提供するサイトがない。また、知的労働者のための専門ポータルサイトがない、研究開発のためのまとめられた情報がない、海外の資料がほしいが言語を分らないなどの問題点がある。

 このような背景から本テーマを提案する。本提案の主な目的としては、知的資源の独自分類と検索による研究開発活動の支援、多言語での情報提供による研究成果の世界への発信、研究情報センターの設立と新しい事業の世界展開がある。但し、分類検索の対象になる知的資源は理工学分野を中心とする。本提案の特徴として、まず、情報提供は一つのキーワード当りA4サイズで5ページ以内とする(情報の量)。研究情報はいつも変わるため世界各国で活躍している研究者の仮想組織を作って管理する(情報の質)。

 本提案からなる開発成果は最終的には日本語を始め、英語、韓国語、中国語等の言語で提供される。
翻訳は本提案を実行する仮想組織が担当するため、翻訳物の高品質を保証できる。
8.採択理由

下記の理由により当事業で採択される水準にあるプロジェクトと評価します。

1.現状と市場ニーズの乖離の中で開発目標が明確に同定されている。

2.既に関連技術の蓄積が社会にあり実用化プロジェクトを起こすべき段階にある。

3.提案の新規性、独創性がある。

4.開発予算が堅実に評価されて額が妥当である。

5.開発に必要な知的な開発組織・人材が準備されている。

6.開発の成功にかける気迫が感じられる。

9.開発評価

 ナレッジ・マネージメントが話題となっているが、知識を体系化する適切な「データ・モデル」と「意味ネットワークによる検索技術」は、その基礎として注目されている。

 当プロジェクトは、工学知識という限られた分野ではあるが、このテーマに着目した取り組みである。

 最終報告の段階では、工学知識に関する「データ・モデル」の構築をこころみた。この「データ・モデル」構築に当たり、国際的な専門家同士の人的ネットワークが効果的に機能した。単なるシステム技術的取り組みではなく、このような人的リソースの効果的活用は、今後のシステム開発のあり方に、ひとつの方法論を提起したものとしても評価できる。もうひとつの課題である「意味ネットワークによる検索技術」は、この「データモデル」をベースに次のテーマとして位置付けられている。

なお、事業化、特許取得については、現時点では未定である。


(総括)

・限られた期間でのプロジェクトであり、その成果をこの時点で判断するのは、時期尚早と言わざるを得ないが、上記採用趣旨にかなう成果は達成しているものと判断している。

・基本的技術、開発者の意欲はあるが、事業化には更なる開発が必要。