平成12年度未踏ソフトウェア創造事業


採択案件評価書

1.担当PM  10.松島 克守
2.採択者氏名  長谷川 修 (通産省電子技術総合研究所)
3.プロジェクト実施管理組織  メディアドライブ株式会社
4.委託金支払額  17,803,803円
5.テーマ名  「ユーザ支援のための携帯型対話エージェントの開発」
6.関連Webサイトへのリンク
7.テーマ概要

 本提案は、提案者らが独自に開発した対話型エージェントを実装した小型端末に移動体通信技術を統合し、いつでも、どこでも(街頭やオフィス、家庭など)利用可能な携帯対話エージェント端末を開発するもの。端末上のエージェントには、インターネット上の情報を収集/加工/管理する機能に加え、様々な家電やOA機器にアクセスし、ユーザに代わってそれらのマニュアルを解読する機能を実装する。

これにより、ユーザは例えば出先で初めて見る機械に対しても、マニュアルを一切見ることなく、馴染みのエージェントとの対話を通じてその機能を知り、利用できるようになる。
8.採択理由

下記の理由により当事業で採択される水準にあるプロジェクトと評価します。

 1.現状と市場ニーズの乖離の中で開発目標が明確に同定されている。

 2.基礎技術の蓄積があり実用化プロジェクトを起こすべき段階にある。

 3.提案の新規性、独創性が提案者の本プロジェクトに関連する学術論文で公的に評価されている。(学術論文とは学会に発表され公開議論を経てさらに学会の選定した専門家の査読・校閲を経て新規性・独創性・有効性を確認されたものを言う)

 4.上記により当開発物が本人の知的資産になりうることを確認できる。

 5.開発予算が堅実に評価されて額が妥当である。

 6.開発の成功にかける気迫が感じられる。
9.開発評価

 コンピューターとのマン・マシン・インターフェイスとして、エージェント技術は、かつてより研究されてきた。特に、老人や子供、障害者といった社会的弱者にとってその利用価値は高い。当プロジェクトは、このエージェント技術を、音声処理、画像処理など技術を組み合わせた簡単な入力方法を使い、しかもシステムからは「表情」や「音声」によって、コミュニケーションを図るというわかりやすいインターフェイスを実現しようとしたものである。また、これをモバイル環境において実現しようと試みている。

 最終報告の段階では、ノートPC上で基本的な技術についての実験モデルを実現した。しかし、実際のモバイル環境はノートPCに留まらず、PDAや携帯電話など多様であり、その適用範囲の拡大が必要である。また、現実の運用実態に即した実証実験をすすめなくては、その適用可能性を評価することは難しい。ただ、カーナビなどの限られたアプリケーション環境に限れば、この技術は既に十分実用可能性があるだろう。

なお、事業化については、現時点では未定である。また、特許は取得の意向。


(総括)

・限られた期間でのプロジェクトであり、その成果をこの時点で判断するのは、時期尚早と言わざるを得ないが、上記採用趣旨にかなう成果は達成しているものと判断している。

・基本的技術、開発者の意欲はあるが、事業化には更なる開発が必要。