平成12年度未踏ソフトウェア創造事業
採択案件評価書
| 1.担当PM | 10.松島 克守 |
| 2.採択者氏名 | 阿部 一博 (日本無線株式会社) |
| 3.プロジェクト実施管理組織 | ネイチャー・ランド・ジャパン株式会社 |
| 4.委託金支払額 | 18,972,000円 |
| 5.テーマ名 | 「未知のノードを含むネットワーク分散協調演算処理システム」 |
| 6.関連Webサイトへのリンク | |
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7.テーマ概要 近年グラフィックスおよび、シミュレーションなどの分野において、計算機は必要不可欠なものとなっ てきている。これに伴い、計算機自体の処理速度の向上が求められるようになってきた。代表的な手法 としてはプロセッサの並列化があり、以前からよく用いられている。 一方プロセッサの並列化を考えた場合に、ネットワーク内の各ノードを並列化することも考えられ、これ についても多くの研究がなされている。 本プロジェクトでは、これらの研究を元にネットワーク内の各ノードに処理を分散、効率よく命令を実行 するより実用的なものを目指している。 |
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8.採択理由 下記の理由により当事業で採択される水準にあるプロジェクトと評価します。 1.現状と市場ニーズの乖離の中で開発目標が明確に同定されている。 2.基礎技術の蓄積があり実用化プロジェクトを起こすべき段階にある。 3.提案の新規性、独創性が提案者の本プロジェクトに関連する学術論文で公的に評価されている。(学術論文とは学会に発表され公開議論を経てさらに学会の選定した専門家の査読・校閲を経て新規性・独創性・有効性を確認されたものを言う) 4.上記により当開発物が本人の知的資産になりうることを確認できる。 5.開発予算が堅実に評価されて額が妥当である。 6.開発の成功にかける気迫が感じられる。 |
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9.開発評価 CPUの並列化による処理の分散は昔からあるテーマだが、これをインターネットという大規模ネットワークを介したの未知のコンピューターを対象に、この概念を適用しようとする試みは、極めて斬新である。既にSETI(地球外生命探査研究プロジェクト)でも同様の試みがなされているが、これは、特定の技術計算に限定したものであり、当プログラムのような汎用性はない。また、特定のノードを中心とした1対N関係での分散であり、不特定多数によるN対N関係での分散処理環境を実現しようとする試みは、極めてめずらしい。 最終報告の段階では、考案したアルゴリズムが実際のネットワーク上で適切に機能することを実証した。しかし、分散度の拡大による処理効率の劣化は、当初予想よりも大きく、今後の課題として明確となった。また、大規模なネットワークによる拡散分散の技術を容易に利用できる「ネットワーク協調分散言語」の構築という着想にもつながっている。この成果は、いままでにはないものであり、インターネットの高度な利用という観点で極めて価値あるものと注目している。 なお、事業化、特許取得については、現時点では未定である。 (総括) ・限られた期間でのプロジェクトであり、その成果をこの時点で判断するのは、時期尚早と言わざるを得ないが、上記採用趣旨にかなう成果は達成しているものと判断している。 ・事業化の可能性は高いが、開発者が事業化に慎重。 |
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