平成12年度未踏ソフトウェア創造事業


採択案件評価書

1.担当PM  1.大黒 晶議
2.採択者氏名  新津 靖 (東京電機大学工学部機械工学科教授)
3.プロジェクト実施管理組織  ネプラス株式会社
4.委託金支払額  28,867,000円
5.テーマ名  「教育用3次元ソリッドモデラーの開発」
6.関連Webサイトへのリンク http://www.n-plus.co.jp/
7.テーマ概要

開発する「教育用3次元ソリッドモデラー」は,「遊びながら能力を開発するソフト」,すなわち、エデュテインメント(教育とエンターテインメントを合わせた分野)を目指しています。最近のゲームソフトでは3次元モデル表示は一般的ですが,ゲームをする側は与えられた立体を操作するだけであり、自ら立体を創造するものは皆無です。ゲームをする側はコンピュータに巧みに操られているといっても過言ではありません。それに対し開発するソフトは3次元モデルをゲーム感覚で作ることを実現します。3次元モデルの作成は創造的な作業であり,作成の過程で3次元空間認識能力を高める効果が期待できます。この3次元空間認識能力とは、図形やグラフ、関数や微積分などの数学的能力のみならず、その根幹となる論理的思考能力や想像力に直接関連する能力であり、子供たちがこの能力を向上させることは、国家的規模での利益につながるものと信じています。

具体的には、開発するソフトウエアは、円柱,円錐,角柱などの10種類の基本立体を組み合わせて目的の立体を作り表示することができ,立体間の集合演算,アフィン変換など高度な処理や,陰線処理など3次元CADに要求される高度な表示機能と3Dグラフィックスに要求されるリアルな表示機能を同時に実現します。さらに,小・中・高校生でも直感的に使用できるようなGUI環境の実現を目指します。そして、現在導入が進められている学校教育のコンピュータ授業において、生徒の創造性を高めるためのソフトウエアとして使われることを目標に、現在までにできているソフトウエアの高機能化と使いやすさを追求した新たなソフトウエアの開発を進めます。

(下記の3次元モデルは大学1年生が4週間の実習で製作したものです。)

8.採択理由

3次元ソリッドモデラーは現在、高額なものしかなく、低額なものはマニュアルが不備であったり、すぐに使うことが出来ません。しかし、3次元化への市場の要望は高く、買ってもすぐに使えないような物でもよく売れています。新津氏のソリッドモデラーは完成度も高く使いかっても良くなっています。実際作っても面白いので、教育現場で是非活用してもらいたいソフトです。CGにはまる学生が多く出てくると思われます。今後の開発を推し進めるため、未踏ソフトウェア創造事業に採択とさせていただきます。
9.開発評価

今日の教育現場における教育ソフトはほとんどがシナリオ応答型のCAIソフトであるが、本プロジェクトでは画面上に小中学生でも使える3次元ソリッドモデラーを開発し、創造的な教育ソフトとして教育現場に受け入れられるものを開発することが目標である。
 本プロジェクトで開発された「3次元ソリッドモデラー」は、不完全であった3次元ソリッドモデリングエンジンの改良が行われており、また充実したGUI環境が開発されたことにより、中・高校生を対象にしたソリッドモデル作成用に十分対応できるものとして実現している。2002年情報教育必修化にむけて創造的な教育に使えるソフトになったと評価できる。
 GUI環境でモデリングを行ったものを変更していく際言語の存在が重要になるが、「教育用3次元ソリッドモデラーの開発」では優れた言語を提供している。言い換えれば、図学教育ソフトでありながらコンピュータ言語教育のスタートにもなっていると言える。